遺伝医療を担う遺伝看護師の役割とは

遺伝看護師とは、遺伝性疾患の患者や家族を手助けする職業です。遺伝性疾患は、一部の遺伝子の変異や染色体異常によって引き起こされる病気で、症状が重く、完治が難しいものがほとんどです。そのため、患者や家族に正しい病気の知識を伝え、治療の手助けをする遺伝看護師のニーズが高まっているのです。遺伝看護師がサポートするのは、身体的なことだけではありません。重病を患ってしまった患者本人や、それを見守る家族へのメンタル面のフォローも、重要な仕事です。病気に対する間違った認識や過度の恐怖感は、治療の妨げとなるだけでなく、患者の苦痛を増やす原因にもなってしまいます。誤認を無くし、患者の心の負担を軽くすることで、病気と向き合う前向きな気持ちや、生きる意欲を持たせることができるのです。

また、病気を治療する担当医師や、患者に関わる介護職の人ともコミュニケーションを図り、連携を取ることも大切です。得意分野を活かし、お互いの知識や技術を補填し合いながら、患者をサポートする体制を築くことが、何よりも重要なのです。また、ダウン症などの先天性の病気の場合は、出生前検査で発覚することが多いため、妊婦の心に寄り添い、出産か中絶かの判断をサポートする必要もあります。このように、遺伝看護師は、医療機関に関わる者としての専門知識と、人の悲しみに共感して癒すカウンセラーとしての特徴を合わせ持った、遺伝医療のスペシャリストと言えるでしょう。

遺伝子疾患の基本情報:http://hereditary-diseases.com